クリニックの看板は、ただ病院の名前を書いて載せるためだけのものではありません。
実は、患者さんに「ここなら安心して診てもらえる」と思ってもらうための、大切な役割も果たすのです。
通りすがりの方々が目にする看板は、クリニックの「顔」。その医院がいかに信頼できるか、どんな独自の親しみやすさがあるのかといった情報を伝えるチャンスです。
また、看板のデザイン次第で「ここに行ってみよう」と思わせることも可能です。
この記事では、クリニックの看板がどのようにして患者さんを集めるのか、効果的なデザインのポイントや設置の流れをわかりやすくご紹介します。
クリニックにおいて看板が重要な2つの理由
クリニックの看板は、新しい患者さんを増やすためだけでなく、クリニックのイメージを作り出すためにも重要です。
ここからは、看板がなぜクリニックでも大切なのか、2つの理由をご紹介します。
一目でクリニックの特徴を伝えられるから
クリニックの看板は、診療科目や診察時間、連絡先などの必要な情報を一目で伝えられることが強みです。
それだけでなく、看板のデザイン次第で、クリニックの雰囲気や特徴を伝えることもできます。
たとえば、歯科医院なら清潔で通いやすいデザイン、美容クリニックなら高級感のあるデザイン、小児科ならお子さんが親しみやすいかわいらしいデザインが考えられます。
看板を通じて、どんなクリニックかを直感的に感じ取ってもらえるため、初めての患者さんに安心感を与え、来院を促すことがでるのです。
地域での認知度向上につながる
クリニックを選ぶ際、多くの方は「通いやすさ」や「よく見かける場所かどうか」を基準にします。
だからこそ、看板を地域に設置することは、クリニックの知名度を上げる効果があります。
オンライン広告も大事ですが、特に地元密着型のクリニックでは、地域内での認知度を高めることが重要です。
自宅や職場の近くで目にする看板があれば、通いやすい場所としてクリニックが選ばれる可能性が高まります。
クリニックで使われる看板の種類
クリニックには、さまざまな種類の看板が使われています。
それぞれの看板には特徴があり、クリニックの場所や雰囲気に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。
ここからは、よく使われる看板の種類を紹介します。
自立タイプ
自立タイプの看板は、地面に置いて設置するタイプの看板です。
クリニックの敷地内に設置する小さめのスタンドタイプから、人通りや車の多い場所に置く大型の看板まで、以下のようにさまざまな種類があります。
A型看板
道に面して設置され、簡単に移動できる看板。診療時間やお知らせを表示するのに便利です。
スタンド看板
クリニックの入口に置くことが多く、訪れる人に必要な情報を伝えます。
野立て看板
大型で道路沿いに設置されることが多く、遠くからでも目立ちます。
ファサード看板(壁面看板)
ファサード看板は、クリニックの建物の正面や入口の上に設置される看板です。
クリニックの「顔」ともいえる部分で、訪れる方にとって一番目につく場所に取り付けられます。
デザインやサイズ、平面か立体か、さらに夜間でも目立つようにLEDを使うなど、工夫のしがいがある看板でもあります。
看板次第で、クリニックの雰囲気や信頼感が伝わるため、重要です。
袖看板
袖看板は、クリニックの建物から道路に向かって突き出る形で設置される看板です。
建物の壁や柱から突き出ることで、歩行者や車からも見やすく、クリニックがどこにあるかをすぐに知らせることができます。
道を通る方の視界に対して目立つため、新しい患者さんを集める効果も期待できます。
カッティングシート
カッティングシートとは、塩化ビニール製のシートを切り抜いて、文字やイラストを作成し、貼り付ける装飾方法です。
看板はもちろん、建物の壁、窓、シャッター、車など、さまざまな場所に使うことができます。
シートには粘着剤が付いているため、平らな場所だけでなく、凸凹があったり曲がっている面にも簡単に貼り付けられることが特徴。
カッティングシートは、看板に使われるインクジェットシートと比べて、色が鮮やかで視認性が高く、遠くからでもしっかり目に入るという利点があります。
また、耐久性に優れており、屋外でも色あせにくいため、長期間使えることも魅力。
特に、ロゴやクリニック名を際立たせたい場合に効果的です。
このように、カッティングシートはただの装飾素材にとどまらず、シンプルかつ機能的な、コスト安の看板として活用できる便利な選択肢です。
チャンネル文字
チャンネル文字とは、文字に厚みを持たせて立体的にする技法で、そのまま看板の一種として制作されます。
文字に厚みを持たせるため、「箱文字」や「ボックス文字」とも呼ばれます。
主に金属を折り曲げて加工し、中が空洞になっていることが特徴です。
この技法によって、遠くからでも文字が目立ちやすくなり、看板全体に高級感や存在感を与えることができます。
また、チャンネル文字と似た「切文字」という技法もありますが、こちらは厚みのある素材を直接切り抜いて作成する方法で、製造の仕組みに違いがあります。
一般的には金属がよく使われますが、デザインや用途に応じてアクリル樹脂などの軽い素材を使うこともできます。素材を変えれば、クリニックのイメージに合わせてさまざまな表現が可能です。
LEDサイン
LEDサインは、看板の文字やロゴを光らせることで視認性を高める看板の一種です。
特に夜間や暗い場所でも目立つため、クリニックの場所を遠くからでもしっかり認識してもらえることが特徴です。
LEDサインには、看板内部にLEDを組み込んで発光させる内照式と、看板を外から照らす外照式の2つのタイプがあります。
従来の蛍光灯やネオン管に比べて、発色がクリアでエネルギー効率も高いという利点があります。
さらに、LEDは紫外線をほとんど放出しないため、虫が集まりにくく、クリニックの衛生面でも安心です。
特に、衛生管理が求められる医療機関において、この特性はメリットとなります。
LEDサインは、チャンネル文字と組み合わせることも多く、文字自体を立体的に仕上げて、内部にLEDを組み込むことで、昼夜を問わずクリニックの存在感をアピールすることもできます。
また、LEDの色や照明の強さを調整することで、クリニックのイメージに合わせた演出が可能です。
集患につながるクリニック看板のポイント4選
クリニックの看板は、新しい患者さんを引きつけるために重要な役割を果たします。
ここからは、集患につながる効果的な看板作りの4つのポイントを紹介します。
クリニックの情報を分かりやすくまとめる
患者さんが安心して利用できるよう、クリニックの基本的な情報を看板に記載してしっかりと伝えることが大切です。
看板には、患者さんに必要な情報を簡潔にまとめるのがポイントです。
たとえば、次のような情報を盛り込むと効果的です。
- クリニック名
- 医師名
- 住所
- 電話番号、LINE IDなどの連絡先
- 診療科目
- 診療時間
- 休診日
- クリニックが入っている建物の階数(テナントの場合)
- 簡単な地図
看板の設置場所や種類によって、記載すべき情報は変わります。
建物の外に置く看板なら基本的な情報を盛り込み、敷地内の看板なら診療科目や診療時間など、より詳細な内容を記載すると良いでしょう。
ロケーションに合わせてデザインする
クリニックの看板は、設置場所に応じてデザインや内容を変えることが重要です。
看板を設置する場所によって、見る方が求める情報が異なるため、ターゲットに応じた内容にしましょう。
たとえば、クリニックの敷地内に設置する看板には、診療時間や診療科目など、訪れた患者さんがすぐに必要とする情報を記載します。
一方で、街中や駅近く、人通りの多い場所に設置する看板には、クリニック名や地図など、場所がすぐにわかるような情報を目立たせると効果的です。
このように、看板を設置するロケーションに合わせたデザインを取り入れることで、より多くの方にクリニックを知ってもらえるチャンスが広がるのです。
医療広告ガイドラインを守る
クリニックの看板をデザインする際には、ただ目立たせればいいわけではありません。
法律に従って正確な情報を見せることが求められます。
特に医療広告ガイドラインを守ることが重要です。このガイドラインに違反した場合、罰則や是正命令が課される可能性があります。
厚生労働省による、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)によると、次のような行為は厳しく禁止されています。
- 比較優良広告:他の医療機関と比較して自らの優位性を主張する広告はNGです。たとえば、「当院は地域No.1の医療機関です」といった表現は、事実であっても誤解を招く可能性があるため、広告としては認められません。
- 誇大広告:治療の効果や安全性を過剰に強調することも禁止されています。たとえば、「絶対に安全」「100%治療が成功します」といった誇張表現は違反です。
- 体験談:患者の主観や伝聞に基づく体験談を広告に使うことは、誤認を招く可能性があるため、禁止されています。たとえポジティブな体験でも、個々の患者により効果が異なるためです。
- 治療前後の写真:ビフォーアフターの写真を用いた広告も、治療効果に関して誤解を招くおそれがあるため、特定の条件下を除き原則として使用できません。
医療広告には、正確で客観的な情報を記載する義務があり、クリニックの名称、所在地、連絡先、診療時間といった基本情報に限って広告として使うことができます。
また、「アンチエイジング」という診療科名や広告は認められていないため、美容皮膚科やレディースクリニックなどでは、特に言葉の使い方に注意が必要です。
クリニックの看板を作成する際は、こうしたルールをしっかり守ることで、安心して患者さんに情報を周知することができるのです。
定期的なメンテナンスをする
屋外に設置する看板は、雨風や紫外線などの影響で徐々に劣化します。
そのため、定期的に点検やメンテナンスを行うことが不可欠です。
看板が劣化すると、文字が読みにくくなったり、看板自体が腐食して落下する恐れがあります。
実際に、劣化した看板が破損して事故が発生するケースもあるため、メンテナンスは安全面の対策を考える上でも重要です。
一般的に看板の点検は3年に1度が推奨されていますが、設置場所の状況や自治体の規定によっては、毎年点検が必要な場合もあります。
看板の安全を保つためにも、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。
クリニック看板設置の手順
クリニックの開業を検討している方や、既存の看板を新しくしたいと考えている方に向けて、看板設置の基本的な手順をご紹介します。
看板の設置は、クリニックの場所を目立たせ、集患に効果的な方法ですので、ぜひ参考にしてください。
自立式サイン設置の場合
自立式サインとは、地面に直接立てるタイプの看板。
主にクリニックの敷地入り口や駐車場の案内に使われます。
自立式サインの一般的な設置手順は、以下の通りです。
1.設置場所のセッティング
まず、サインを設置する場所を決めましょう。
その場所に、看板を固定するための土台を作るため、充分な深さの穴を掘ります。
この穴がしっかりとした基盤となるため、看板が安定して立つようにコンクリートなどで強固に固定してください。
2.サイン本体を差し込む
土台が乾燥してしっかり固まったら、サイン本体を土台に差し込み、固定します。
配線等を調整したら、設置完了です。
LEDライトが内部に組み込まれた内照式のサインであれば、配線を調整し、ライトが正しく機能するように配線作業を行わなければなりません。
以下の写真は、LEDが内部に埋め込まれている内照式です。
内照式サインは、特に夜間の視認性を高める効果があります。
LED内蔵タイプの場合、暗い時間帯でもクリニックの場所をしっかりアピールできるため、通行人や車からも認識されやすくなります。
ファサード看板設置の場合
ファサード看板(壁面看板)は、建物の入口や外壁に取り付けられ、クリニックの「顔」としての役割を果たします。
ファサード看板設置の一般的な流れは、次の通りです。
1.看板枠を取り付ける
外壁の適切な位置に看板を設置するための枠を取り付けます。
LEDで光らせるタイプのファサード看板を取り付ける場合は、ネジ穴の他に配線用の穴も準備しなければなりません。
今回はLEDで光らせるタイプの看板を取り付けるため、上記の写真では取付のためのねじ穴の他に配線穴も空けています。
2.看板本体の取り付け
看板本体を取り付けてしっかりと固定し、配線の調整を行いましょう。
すべてのパーツが取り付けられたら、電気の接続を確認し、看板が正しく点灯するかチェックします。
以上で作業が完了です。
ファサード看板設置の注意点
内照式のチャンネル文字タイプの看板を設置する際、文字が暗くならないように照度の調整が必要です。
事前にしっかりと設計・調整を行い、夜間でも見やすい仕上がりにしましょう。
上記のサンプル写真では、夜間でも見やすく、かつ光で文字がつぶれないよう仕上げております。
もし、看板設置に興味を持たれた場合、株式会社太陽巧芸社の公式ページから、他の施工例もご確認いただけます。ぜひご覧くださいませ。
まとめ:クリニックに合わせた効果的な看板デザインをしよう
この記事では、クリニックの看板が集患にどれほど重要か、そして効果的なデザインのポイントについて解説しました。
クリニックの看板は、地域での認知度を高め、信頼を築き、患者さんを引きつけるための大切な役割を果たします。
特に、クリニックが提供する医療の内容や場所をわかりやすく伝え、来院する患者さんが安心できるようなデザインに仕上げることが重要です。
看板をデザインする際には、クリニックの診療科目や営業時間、アクセス情報など、必要な情報を簡潔にまとめましょう。
また、設置する場所や看板の種類に応じて、デザインを工夫することが、集患につながるポイント。
さらに、法律を遵守し、定期的なメンテナンスも忘れずに行うことが、安全かつ長期間持続しての利用につながります。
看板の設置やデザインに興味があるものの、「自分でどう進めればいいのかわからない」「どんなデザインにすれば効果的か迷っている」という方も多いかもしれません。
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